日本語教育の参照枠についてお探しですね。
近年、日本語教育の現場や関連ニュースで「日本語教育の参照枠」や「CEFR(セファール)」、「Can-doリスト」といった言葉をよく耳にするようになりました。
でも、「専門用語ばかりで正確な意味がよくわからない」「実際の授業や評価にどう使えばいいの?」と悩んでいる日本語教師の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日本語教育の参照枠の基本から、CEFRに基づくCan-doリストの具体的な使い方まで、わかりやすく解説します。
学習者のやる気を引き出して、より効果的な授業を作るためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
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日本語教育の参照枠って何?CEFRとの関係を分かりやすく説明します
日本語教育の参照枠とは、文化庁が作った「日本語の学習、教え方、評価のための共通の基準」のことです。
これまで日本の日本語教育では、学校や教育機関ごとにバラバラの評価基準やカリキュラムが使われていて、学習者の日本語能力を客観的に測る統一された基準があいまいだという問題がありました。
そこで、国内外の誰が見ても学習者のレベルや能力が正しく伝わって、進学や就職の際にもきちんとした教育を続けて受けられるように、この参照枠が新しく作られたんです。
この日本語教育の参照枠のベースになっているのが、ヨーロッパで生まれた「CEFR(セファール)」という考え方です。
正式には「Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)」といいます。
CEFRは、言語能力を「文法のルールや単語をどれだけ覚えているか」という知識の量ではなく、「その言語を使って実際の場面で具体的に何ができるか」というコミュニケーション能力で評価する画期的な仕組みで、今では世界中の外国語教育で使われています。
日本語教育の参照枠もこのCEFRの考え方を強く取り入れていて、言葉を通じた「お互いの理解」と「課題をこなす力」を大切にしています。
つまり、単にテストでいい点を取るための日本語学習ではなく、実際の生活や職場で「日本語を使ってどうやって問題を解決して、他の人といい関係を作っていくか」に注目しているんです。
これによって、日本語教師は学習者の実生活に直結した実践的な指導ができるようになり、学習者自身も学ぶ目的がはっきりして、学習を続けやすくなるという大きなメリットがあります。
CEFRに基づいた「Can-doリスト」の基礎知識と6つのレベル
日本語教育の参照枠やCEFRの仕組みを理解するために、絶対に知っておきたいのが「Can-do(キャンドゥ)」という考え方です。
Can-doとは、文字通り「〜できる」という形で学習者の言語能力を表した短い文のことです。
たとえば、「漢字を500個覚えている」という知識の確認ではなく、「身近な話題について、短くて基本的なプレゼンテーションができる」というように、具体的な生活場面やビジネスシーンでの行動として能力を示すのが特徴で、これを一覧表にまとめたものがCan-doリストと呼ばれます。
CEFRと日本語教育の参照枠では、このCan-doを使って学習者の上達度を次のような6つのレベルに分けて、段階的な成長を見えるようにしています。
・**A帯(A1・A2)**:挨拶や自己紹介ができる基礎段階の言語使用者
・**B帯(B1・B2)**:日常のトラブルに対応できる自立した言語使用者
・**C帯(C1・C2)**:複雑な議論もこなせる熟達した言語使用者
レベルが細かく分かれているので、学習者は自分の今の位置を正確につかめて、「次はB1を目指そう」といった具体的な目標を立てやすくなるのが魅力です。
さらに、Can-doリストには大きく分けて「活動Can-do」と「能力Can-do」などの種類があって、これらを組み合わせて使います。
活動Can-doは「電話で用件を相手に正確に伝えることができる」といった現実社会での具体的なコミュニケーション活動を示すものです。
一方、能力Can-doは「相手との関係に応じて適切な言葉や敬語を選んで文を組み立てることができる」といった、活動のベースになる言語スキルを示します。
両方を意識することで、知識の詰め込みで終わらない実践的な日本語能力を育てることができるんです。
「JFスタンダード」や「生活Can-do」との違いと使い分け
実際の日本語教育の現場でCan-doリストを使おうとすると、「JFスタンダード」や「生活Can-do」といった別の言葉にも出会うことになります。
これらはすべてCEFRの考え方をベースに作られたものですが、対象となる学習者のタイプや使う目的に応じて使い分けることがとても大切です。
それぞれのリストの特徴や背景を正しく理解することで、目の前にいる学習者のニーズに一番合ったカリキュラムを提供できるようになり、学習効果をぐっと高めることができます。
まず「JF日本語教育スタンダード(JFスタンダード)」は、国際交流基金が独自に開発した枠組みです。
CEFRの考え方にいち早く対応して、幅広く使えるCEFRのCan-doを日本語ならではのコミュニケーション場面に合わせて具体的にしている点が大きな特徴です。
海外で学ぶ日本語学習者や、いろいろなトピック(旅行、文化、学校など)を総合的に学ぶコースに向いています。
国際交流基金が作った教材『まるごと 日本のことばと文化』なども、この基準に基づいていて、世界中の教育現場で広く使われています。
一方、「生活Can-do」は文化庁が作った指標で、主に日本国内に住んでいる外国人(生活者としての外国人)を対象にしているのが特徴です。
市役所での住民登録の手続き、病院での症状の説明、子どもの学校からのお知らせの内容を理解するなど、日本社会で生活していく上で実際に直面する場面に特化しています。
仕事や定住を目的とした学習者には、この生活Can-doをベースにしたシラバスを組むことで、明日の生活からすぐに役立つ実践的な日本語指導ができて、必要に応じて独自の「MY Can-do」を作ることも推奨されています。
教育現場での実践!Can-doリストを使った目標設定と評価のステップ
実際に日本語教育の現場でCan-doリストを活用するには、コースを作る段階から毎日の授業計画、そして最終的な評価までを一貫してつなげることが欠かせません。
最初のステップは、学習者のニーズを正確につかんで、コース全体の最終的な到達目標となるCan-doを設定することから始まります。
たとえば「地域のボランティア活動に参加して日本人と交流できるようになる」という大きな目標(活動Can-do)を決めたら、それを達成するために必要な語彙や文法を洗い出して、毎回の授業の具体的な小さな目標へと落とし込んでいきます。
毎回の授業の目標がCan-doベースで設定されていると、学習成果を測る評価の方法も自然と実践的なものに変わってきます。
従来のペーパーテストによる単語や文法の知識確認だけではなく、授業内でのロールプレイやスピーチ、プロジェクトワークなどを通じて「実際にその課題を自分の力でこなせたか」を見るパフォーマンス評価が中心になります。
この時、教師の主観だけに偏らず客観的に評価できるように、事前に評価基準(ルーブリック)を作っておいて、どのくらいスムーズにコミュニケーションが取れたかを段階的に評価することが大切です。
また、Can-doリストは教師が評価するためだけのものではなく、学習者自身が自分で学習を進めていく力を育てる強力なツールとしても使えます。
コースの区切りごとに「自己評価シート」としてCan-doリストを配って、自分自身で「何ができるようになったか」「まだ足りない部分はどこか」を振り返る機会を定期的に作るのがとても効果的です。
学習の成果をポートフォリオとして積み重ねていくことで、学習者は着実な成長を実感できるようになって、長期的な学習のやる気を保つことにつながります。
教師と学習者が同じ目標を共有して一緒に進む新しい教育のスタイルを、ぜひ取り入れてみてください。
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